ハイドロカルチャー

土を使わず植物を育てる、
室内緑化の課題を解決する緑化システム

ハイドロカルチャーとは、土壌の代わりに粘土から作られる一般的な園芸土壌よりもしっかりとした空気層を確保できる発泡煉石(ハイドロボール、レカトン)を用いた礫耕栽培のことです。土壌の代わりに敷き詰められた、優れた保水性と排水性を両立する植え込み材に、ポンプを利用して水や養液を循環させることで植物を育てます。通常の土壌栽培とは異なり水や肥料が流出しないため、必要最小限の水と肥料で栽培できる環境に優しく経済的な栽培法です。
団粒構造で根に空気を通しやすいため根腐れのリスクを低減できるとともに、土を使用しないため病害虫によるリスクも減らして室内でも容易に栽培可能なほか、水を循環させることで淀みもなく清潔な状態を保つので、雑菌の繁殖も抑えて生育に適した環境で植物を育てることができます。また、ハイドロカルチャーを用いた小さなカセット式の鉢で植物を栽培、それらのユニットを組み合わせて管理することで、土壌での栽培のように植え替えが必要とせず植物の移動・交換を容易にできることもハイドロカルチャーの特徴です。水や養液が循環すれば良いため、ユニットは平面である必要はなく壁面や天井にも設置できるなど、設計の自由度が高くできることも土壌栽培にはない特徴です。

ハイドロカルチャーのメリット

大型のハイドロカルチャーが設置された映画館の写真
きれい

無機質土壌を主体とした植え込み材は、虫やカビ・雑菌の発生が一般の土壌に比べて少なく清潔で、屋内での植栽に適した栽培法です。

エコ

植え込み材は洗えば何度でも再利用可能なほか、水や肥料の流出がないため必要最小限の水や肥料で育てることができて、とってもエコ。

かるい

植え込み材は土と比較して軽く、屋内でも容易に設置できるほか、軽さを活かして様々な空間を有効活用した植栽ができます。

ながく育つ

自動潅水により根に適正な水分と空気とを与えることができるので、植物をより長く育てる環境をつくります。

ハイドロカルチャーの植え込み材

ハイドロカルチャーに使用される用土には、粘土を1200℃の高温で焼成発泡して作られる、無機質の石(多孔質セラミック)のレカトン(ハイドロボール)、ピートモスを発泡固形化したパフカルチップ、ガラス発泡石のシリカソイルを用います。これらには自然の土壌とは異なり、室内栽培に適したたくさんのメリットがあります。

  • 高温で焼き上げるため、雑菌が死滅
  • 団粒構造を維持できるので根詰まりを引き起こさない
  • 雑菌が繁殖しないので洗えば何度も利用可能
  • 2重構造で外側に水分、内側に空気を保持できる
ハイドロカルチャーに使用されるレカトン、パフカルチップ、シリカソイルの写真
レカトンの断面写真

多段式垂直水耕法とは

ハイドロカルチャーのユニットを縦に重ねて壁面状のパレットをつくり、自動潅水制御の給排水システムにより水を循環させて植物を栽培する栽培システムです。様々な色や形状の植物を組み合わせることができて細かく植栽をデザインできるほか、栽培する植物は随時変更することができます。
青々とした植物が生い茂る壁面は見た人を視覚的に癒やしてくれるほか、サラサラと流れる水の音でも癒やしをもたらしてくれます。

休憩スペースにハイドロカルチャーの壁面が設置された商業施設の写真